8月18日 復員
2005年 08月 18日
(はちがつや えきごとにへい すてらるる)
後藤紀一。
歓呼の声に見送られて出征した故郷だったが、様変わりした無残な帰郷をうたっている。それにしても命からがら帰って来た兵士が、わが故郷の駅で下車してゆくのを<棄てらるる>とは、あまりに酷い表現だと思う。それほどに迎える家族も疲弊していたのだろう。杜甫の詩『春望』では、「国破れて山河あり/城春にして草木深し」と国家は破れ人民は離散しても、自然の山河は昔の儘だと作(な)している。八月は炎熱で、帰還の時期も悪かった。
1915~1990 山形市生まれ。日本画家、詩人、小説家。芥川賞作家。by村上護。
(ふくいんは はづきふくいん たえてなき)
山根尽生。
★12、復員
5 陸海軍の復員状況
閣議決定: 陸海軍復員ニ伴フ給与等処理ニ関スル件
「をどり子や渡しの船の夕あらし」 稲津祗空(いなづぎくう)。