日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

8月20日 ほのぼのと

「桃の実のほのぼのと子をうまざりし」
(もものみの ほのぼのとこを うまざりし)
きくちつねこ。
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 桃の実は見た目にも艶やかで、赤ちゃんの肌を連想する。師の大野林火は「白桃を洗う誕生の子のごとく」と感触の柔らかさを詠んだ。作者にはこの句が念頭にあり、わが身に思いをはせたのだろう。
 かっては個人よりも家の方が大切で、家を永続させるためには嫁せば子を産むのが当然のことという固定観念があった。そのせいで子のない妻は負い目を感じて生きてた時代は長い。掲出句ではどうなのだろうか。中七の<ほのぼのと>で切れ、二句一章の前半は明るくて、後半にかげりの見える抒情の俳句となっている。
1922~ 茨城県生まれ。「蘭」主宰。by村上護。

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「ほのぼのと木槿競いてで咲きにけり」
(ほのぼのと むくげきそいて さきにけり)
山根尽生。

明日8月21日の一句
「さやに咲く芙蓉の朝はたふとかり」 五十崎古郷(いかざきこきょう)。

by jinsei1 | 2005-08-20 10:38 | きょうの一句