日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

9月20日  秋の風

「囁きは秋の風にも齢にも」
(ささやきは あきのかぜにも よはひにも)
河野多希女(たきじょ)。
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 秋風はなんとなく後ろ暗いひそひそ話にも受けとれて、古来詩歌ではこころ寂しく、うら悲しい風として詠む場合が多かった。掲出句もそういった秋風の本意をうけて、愁風ともいえるものだ。そしてうら寂しい<囁き>は自分の年齢からも聞き取れるというのだ。
 老化を意識しての作だろう。俳句についての評論でも一世を風靡した山本健吉が書いている一文が印象的だった。「老年の居場所とは、もっと安らかなものだと思っていた。だがこれはどうやら私の見込違いであったようである。老年とは、その人の生涯における心の錯乱の極北なのである」と。 
1922~ 神奈川県生まれ。河野南畦夫人「あざみ」主宰。by村上護。

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「古希の坂先は一筋彼岸入り」
(こきのさか さきはひとすじ ひがんいり)
山根尽生。

明日9月21日の一句 
「一汁一菜さて間引菜に鰹節」富田潮児。

by jinsei1 | 2005-09-20 06:46 | きょうの一句