10月9日 焼く
2005年 10月 09日
(しょかんやく つきのれもんは くへません)
片山桃史(とうし)。
昭和十六年に再度応召し東ニューギニアで戦死。三十二歳。前戦に故郷から届く手紙は何よりの慰めだった。が、未練を残さない為にすぐさま焼き捨ててしまう。絵にかいた餅のたとえはあるが、望郷の念をおこさせるレモンのような月も、<食えません>と口語表現で嘆いているのが印象的な一句である
1912~1944 兵庫県生まれ。「旗艦」同人。by村上護。
(ろくじゅうねん いもなどくべる ありがたく)
尽生。
明日10月10日の一句
「いわし雲湧くや郷愁のごときもの」 結城昌治。