10月17日
2005年 10月 17日
(このならに ねむりてあきの にはかなり)
榎本好宏(よしひろ)。
室生寺
奈良に泊まって心は逸(は)り、即座に秋を満喫しょうとしたか。
詩人の萩原朔太郎は旅についてこう書いている。「旅行は一つの熱情である。恋や結婚と同じやうに、出発の前に荷造りされてる、人生の妄想に充ちた鞄である」と。もちろんそういった一面はあるが、俳人は客観写生を眼目とするから、やがて妄想に充ちた鞄は空っぽになるだろう。
1937~ 東京生まれ。「杉」同人。by村上護。
(ことじんじゃ おくやまきりの もみじかな)
尽生。
「還らざるものを霧笛の呼ぶごとし」
伊藤柏翠(はくすい)。