日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

10月19日 ああこりやこりや

「秋さびしああこりやこりやと歌へども」
(あきさびし ああこりやこりやと うたへども)
高柳重信。
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 酔って少々捨て鉢な気分になって、<ああこりやこりや>と囃しながら俗謡をうたったが一向に気分は晴れない。やっぱり秋はさびしい、というのだ。どんな分野でも守旧派がいれば革新派もいる。体制派対する反体制派といってもよかろう。作者は俳壇においては常に後者の側で、<秋さびし>は終生のものだった。うっ憤を紛らすために酔っぱらって歌ったかもしれないが、それで気が晴れるものではない。10月19日 ああこりやこりや_a0009666_9405026.jpg 彼は戦後二十年間における自分を振り返って「いつも、時の俳壇の主流の如き勢力に対して、対極的な立場に立ってきたきたようである。敗戦直後は、主として左翼的な公式論と斗(たたか)っていたし、その後は、いわゆる社会性俳句に対し、常に批判的であった。一時期、勢いの盛んだった前衛俳句に対しても、遂に同調しなかった」と書く。「いつもここで吃(ども)ってしまう満月以後」「胸中の刺客つぶやく夜のらつせる」などの作も。
by村上護。
大岡信の高柳重信追悼文 「船焼き捨てし船長へ」
高柳重信情報

★♪お江戸日本橋七つ立、初上り。ああこりや こりや。行列揃へて、あれわいさのさ、こちや、高輪夜明けの、提灯消す。こちやえ、こちやえ。

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「曇天やああこりやこりやと弾めずに」
(どんてんや ああこりやこりやと はずめずに)
尽生。

明日10月20日の一句
「滝見ゆと聞けば逸りて登高す」 
皆吉爽雨(そうう)。

by jinsei1 | 2005-10-19 07:33 | きょうの一句