10月25日 東大寺
2005年 10月 25日
(かねなれば あきはなやかに かさのうち)
石橋秀野(ひでの)。
奈良吟行には夫である山本健吉もと同行している。掲出句については健吉が「山陰時代の句が寂寥感を帯びているのに対し、彼女本来の華やかさある」と評しいる。句会で一緒だった多佳子は秀野のことを「美しい人で安見子ちゃんを背負った紐が細い肩をしめつけてゐたのが忘れられない。私が夫人に会ったのはこのとき一度だけである」と回想。ちょうど一年後に不帰の客となっている。
1909~1947 奈良県生まれ。「鶴」同人by村上護。
(いにしえの ならのみやこの ひびきにて)
尽生。
明日10月26日の一句
「実石榴や妻とは別の昔あり」
池内友次郎。