日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

12月6日 洗い場

「葱洗ふ女やひとり暮残る」
(ねぎあらふ おんなやひとり くれのこる)
尾崎紅葉。
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 冬至へと向かう日々は暮れるのが早い。日の長い夏至と比べれば昼間は六時間以上も短くなる。たちまち暗くなる中で女性ひとりが<暮残る>という表現が印象的だ。
 芭蕉の「葱(ねぶか)洗ひあげたる寒さかな」の句は際立つ葱の白さを強調している。紅葉になると、興味は葱より女性の白い脛(はぎ)の方に移っている。久米の仙人が飛行中に衣を洗う若い女の脛を見て通力を失い墜落した話し。これが一句の背景にあって、日暮れの中に<女やひとり>とクローズアップしているのがおもしろい。紅葉は俳句にも熱心で、「一字をゆるがせにせず」十日かけても句案ができないこともあった。と書いている。
1867~1903 江戸芝生まれ。小説家。紫吟社を結成。秋声会を興す。by村上護。

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「家前に清き流れのありがたや」
(いえまえに きよきながれの ありがたや)
尽生。


明日12月7日の一句
「鴨の鍋つついて余呉を身内にす」 
加古宗也(そうや)。

by jinsei1 | 2005-12-06 15:04 | きょうの一句