日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

1月26日 寒林

「寒林の一樹といへど重ならず」
(かんりんの いちじゅといへど かさならず)
大野林火。

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 作者大野林火は明治三七年(1904)横浜市生まれ。臼田亜浪に師事。その作品から癒しの句を選ぶなら、長男と妻を亡くし林火自身が「私は悲しみを、苦しみを、俳句にすることによりいくらか心の落ち着きを求め得た。」と書く二〇代後半の句をあげるべきかもしれない。しかしその頃の句は「墓まうで花菜をゆけば夢のごとし」「身を疲らせて春夜をねむる術おぼえ」などいかにもつらい。
 この句は昭和二五年四六歳の作。寒林は葉をすっかり落してしまって寒そうな木が集まっている林をいう。似た季語に冬木立があるが、寒林というとそのしんとしたたたずまいにもう少し広さや奥行きが生まれる。作者は林の中にたたずみ木々を見上げている。そしてそれぞれの木にそれぞれの広がりがあることに納得しているのだろう。一見理屈のようだが寒さのなかで凛と立つ木々の存在の静けさを受け止めている作者の心を感じることができる。
 句集『青水輪』所収。by癒しの一句。

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「大寒や来る春待つエネルギー」
(だいかんや きたるはるまつ えねるぎー)
尽生。


明日1月27日の一句
「鶴一羽わが命終の日に現れよ」 
大串章。

遠隔治療のお薦め

by jinsei1 | 2006-01-26 12:05 | 癒しの一句