カタツムリから生まれたプロガード
2006年 02月 01日
ワァー、でんでん虫では出ん出んで、便秘連想でんなぁ。
トイレの汚れの主原因は水垢だ。水垢のつきにくいプロガードのトイレなら掃除回数が減り、使用する洗剤量は従来の約3分の1以下ですみ、掃除に使う水も1日でバケツ約1・4杯、11リットルも節水できるという。この技術は大好評で、その後、洗面台や手洗い器にも取り入れられた。小さなカタツムリが地球の節水に大きく貢献したのだ。
カタツムリは巻貝の仲間で、約6億年前に祖先が誕生しました。その殻は大理石と同じ成分のアラゴナイトとタンパク質の複合材です。殻の表面層はタンパク質でできているため、本来なら水より油になじみやすく、汚れやすい性質をもっているといえます。
なのに、なぜカタツムリの殻には汚れがつかないのか?
そこで、実際にカタツムリの殻に油が付着するかどうか実験。殻に油滴をたらしてみると、見事にはじかれてしまったのです。
カタツムリの殻の主成分は炭酸カルシウム。炭酸カルシウム鉱物である方解石と、カタツムリの殻の汚れやすさを比較実験したところ、方解石には油が付着するが、カタツムリの殻には付着しないことが判明しました。
カタツムリの殻を電子顕微鏡で見ると、規則正しい溝がつくられていることがわかります。
殻の表面構造を解析すると、数百ナノ(1ナノ=10億分の1m)からミリサイズまでの広範囲な階層でフラクタル組織、つまり『溝』がつくられていることがわかりました。
カタツムリの殻の汚れ防止機構。
殻表面の細かい溝によって水膜ができ、油を寄せつけない。
とてつもなく細かい溝。これがカタツムリの汚れ防止機構でした。つまり、殻表面にあるこの溝に常に水がたまっている状態なのです。ここに油をたらしても、水と油は反発し合うのでくっつかない。だから、上から水をかけるだけで、浮いている油が流れ落ちてしまうというわけです。
これにヒントを得て開発されたのが、「マイクロガード」(外壁材)、「エクセラガード」(キッチンシンク)、「プロガード」(トイレ)の3つの防汚技術。
特に苦労したのはトイレだったという。調査・検証のために、数々の家庭や公共施設の汚れた便器を譲り受け、汚れを分析し、平成11年に商品化にこぎつけた。
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「汚れないトイレ」・カタツムリの防汚メカニズムに学ぶ