日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

2月5日 いくたびも

「雪の日暮れはいくたびも読む文のごとし」
(ゆきのひぐれは いくたびもよむ ふみのごとし)
飯田龍太。
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★雪の甲府盆地
 作者飯田龍太は大正九年(1920)生まれ。山梨県の山あいに住む。年ごとの雪もさぞ深かろうと思う。生まれ育った地の四季の懐かしさは、故郷を離れて暮らす経験にこそ育まれるものだが、作者も学生時代は東京に学んだ。在学中は病と戦争のために途中帰郷の期間があったし、卒業後はずっと現在まで故郷の地に暮らしている。原風景とは、心の中の何か特別な出来事の思い出とは別の場所に沈んでいる。そしてそこにいるだけでかたちの無い懐かしさがこみあげてくる。掲出句は昭和四四年の作。句集『春の道』所収。
 もらってから幾度も読み返す手紙には、必ず心に触れる何かがある。その手触りや文字や、はじめて開いた時の心持ちをもう一度得たくて、開くこともある。もう軸を憶える程でも、わかっているゆえの安らかさがそこにはあるだろう。作者にとって「雪の日暮れ」とはそういうものなのだ。by癒しの一句。

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★飯田龍太(手前)と井伏鱒二(奥)
「友釣りを鱒二と憩う栃代川」
(ともづりを ますじといこう とちよがわ)
山根尽生。

明日2月6日の一句 
「春雪三日祭の如く過ぎにけり」 
石田波郷。

遠隔治療のお薦め

by jinsei1 | 2006-02-05 14:28 | 癒しの一句