12月20日 話半分
2006年 02月 20日
「京へ商いに行くそうだが、油断するなよ。京では、何でも値切ったほうがよい。二両といえば、一両だと思え」
「おお、成るほど。では、その通りにしよう」
男は、喜んで出かけて行きました。
さて、京都に着くと、やっぱり教えられた通り、何でも、飛んでもなく高い値段です。
「成るほど、言われた通り、恐ろしい所だ。これはみな、半分ずつに聞いておけばよい」
と、男は、思い込みました。
そのうちに、ふとしたことから、京都の友達がで来ました。
「お前さんの名前は、何と申す」
江戸の男が聞くと、京の男は、
「六兵衛と言いまする」
(さてさて、京の人は、掛け値するから、これはさしづめ、三兵衛だろう)
「お家は、どの位の広さでございます?」
「五間の間口の家でございます」
(よしよし、これも二間半の間口の家だな)
「して、何人でお暮らしですかな?」
「只今は、私独りでございます」
(よしよし、これも半分)
と、江戸の男は、京の男をじろじろ眺め廻し。
(はて、半分には、どうしても見えぬが)
江戸の男は、思わず首をかしげ、
「して、もう半分は、どなたでございます」
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日2月20日の予告
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