3月1日 ごっこ
2006年 03月 01日
(かみふうせん いきふきいれて かへしやる)
西村和子。
息を吹き入れた紙風船を子どもがついて遊んでいる。長くつくほど紙風船の空気が抜けて難しい。たまたま外れて母なる人のそばへ飛んできたのだろう。子へ渡す前にふうっと息を吹き入れたというのだ。この「息吹き入れて」という語から感じられる体温に、この句の持つやさしさや暖かさがある。
作者西村和子は昭和二三年(1948)横浜生れ。清崎敏郎に師事。この作者には、母の視線でとらえられた佳句が多い。「手花火や見守られゐること知らず」「悴(かじか)める掌(て)を包みやり諭しけり」など。掲出句は平成一〇年刊『現代秀句選集』所収。by癒しの一句。
(いしけりや じべたふっかつ いのりつつ)
山根尽生。
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明日3月2日の一句
「百千鳥ほんとうは来ぬ朝もある」
宇多喜代子。
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