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by jinsei1

8月10日 五両と五分


8月10日 五両と五分_a0009666_632779.gif お祭りがやって来ました。
 町内の若い者が集まって、いろいろ相談をした挙げ句、芝居をやることに決まりました。
 役の名を、紙に書き出して、
「おい、三太。お前、一番若いんだ。ひとっ走り、呉服屋まで行って、これだけの衣装が幾ら位で出来るか聞いて来い」
「おい来た」
 三太は、勢い良く、呉服屋まで、駆けて行きました。
 お店の番頭は、紙に書いた役を読み上げ、パチッパチッと、算盤を弾いて、
「へえ、〆て、五両と五分(四十万円ほど)になります」
 三太は、忘れると困るので、
「あの、紙に書いて下さい」
 すると、番頭は、
「いや、いや。紙に書く程のことはない。それ、お前さんのこっちの手の指。一本を一両として、こう五本曲げて五両。こっちの手の指は、一本一分で、五本曲げて五分。両手をあわせると、ほれ、五両と五分。忘れっこは、ありますまい」
「なるほど」
 三太は、両手を握ったまま、表へ出ると、
「こっちの指が五両。こっちの指が五分。両手を合わせて、五両と五分」
 呟きながら歩いていましたが、何を思ったか、くるりと戻って、呉服屋に入り、
「あのう、番頭さん。どうか、二分か三分、負けて下さい」
「まあ、良いですが、それにしても、どうした訳で?」
 すると、三太、二つの拳を突き出して、




「これでは、帰っても、戸が開けされません」

おしまい

ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日8月11日の予告

金魚



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by jinsei1 | 2006-08-10 06:04 | 一服小話