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by jinsei1

9月22日 薙刀っ屁


9月22日 薙刀っ屁_a0009666_6391610.gif 昔々し。
 ある村に、十どんという、屁っぴりの名人がおりました。
 自由自在に面白い屁をひっては、みんなを喜ばせ、なにがしかの銭を貰うて、暮らしをたてております。
 ところで、この十どん。
「わしも諸国をまわって、屁ひりの修業をせにゃ」
と、言う訳で旅に出ました。
 山道坂道、ぶらりぶらりと行くうちに、関所に差し掛かりました。
 関所では、立派なお役人さまが、高い所から、一人一人、通行人を調べています。
「これ、その方。名は、何と申す」
「へえ。十どんと申しやす」
「十どんとな。して、商いは何じゃ」
「屁を商のうております」
「なに?!」
「屁を商のうております」
(こやつ、怪しい奴じゃ。)
「そのほう、屁を商なうとの事、偽りではあるまいな」
「へい」
「嘘偽りを申す奴は、この関所、通す事罷り成らぬぞ」
「偽りではございません。誰もが、わっしの事を、屁っぴりの十どん、屁っぴりの十どんと、申します」
「しからば、屁っぴりの十どんとやら。偽りならぬ証拠に、お前、ここでひってみい」
「では、仰せの通り、ここで」
と、言うと、十どん、
♪プリン、パラリン
♪プリン、パラリン
♪ご用の、盃
♪ヒッキョ、キョンのキョン
と、屁で歌を歌いました。
(これだけ上手にひれば、通ってもよかろう。)
と、十どんが歩き始めると、
「待てっ」
 お役人が、手を挙げて呼び止めた。
「面白い奴。もう一つやれ。・・・これ、屁っぴり屋。なにをくずくずいたしておる。もう一つ、やれ」
「へえ。もう一つやれ、と、おっしゃいますが、わっしの屁は、商いにございます」
「商いなら、どういたした」
「只では、ひれません」
「何おっー!!」
 お役人は、げじげじ眉を、ぴくぴくっと動かして、
「お上に対し、無礼を申すな。只で、ひれっ! ・・・只でひれというのじゃ。ひらぬとあれぱ、ここを通す事罷り成らぬわっ!」
 十どんは、
(銭も払わずと、何じゃい)
と、腹が立ったが、
(ここで逆ろうてもしかたかない。・・・おお、そうじゃ。)
と、思い直して、
「それでは、薙刀の屁をひりますけんど、如何でございましょう」
「薙刀の屁? 聞いた事もないが、面白そうじゃ。ひってみよ」
「では」
と、十どん、くるりと、お役人の方ヘ尻を向けると、先ず、
プーーーーーウ
と、長い奴を一つ。
「これが、薙刀の持つ部分の柄でございます」
「なるほど。長い柄じゃ。次は?」
ブッ
「なんじゃ、それは」
「地面に当たるヤリの尻金具。石突でごぜいます」
「なるほど、石突か。とんと、突いたな。では、次」
♪プル、プル、プルリン。
「これが、柄に巻いた藤でございます」
「なるほど、よう巻いてあるようじゃ。次は」
♪プリッ、オバリッ。
「これで、鞘を払いました」
「なるほど、パッと、払ろうたか。見事な物じゃ」
「ではいよいよ、薙刀っ屁の極意。刀身をひりますので、恐れながら」
と、十どんは、パッと尻をまくりました。
 すると、役人は、慌てて、




「中身は、出すに及ばぬ。早よう、早よう通れっ」
と、鼻を摘んで言いました。

おしまい


ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日9月23日の予告

大黒さまの知恵



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by jinsei1 | 2006-09-22 06:45 | 一服小話