10月7日 雁行
2006年 10月 07日
(こえのなき かりがねひとを おほひさる)
松村蒼石。
近づいてきて声もなく頭上を渡っていく雁の大群にすべてが覆い去られていく。雁は実景だろうが、掲出句からはただならぬ不安な感じを受ける。これは作者が八五歳のころの作だが、それまでに作者は身近な多くの人の死を経験してきた。そのことを思い出すとき掲出句はこの上なく厳しくまた静かに澄んでいる。人が覆い去られたあと作者が一人立ちつくしている。そして、作者もまた覆い去られるのだろう。by癒しの一句抄。
(がんこうや めいげつせおい かけにけり)
山根尽生。
明日10月8日の一句
「人形の目にのみ見えて木の実降る」
齋藤慎爾。
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