10月29日 速く走る
2006年 10月 29日
一人の男が、えらく知ったか振りをして、言ったそうな。
「そもそも、獣の中ではじゃ。爪の割れておるものが速い。例えばじゃ。犀という奴」
「あの、牛の様で、鼻の頭に角のある犀か?」
「左様。その犀は、爪が割れておるので、飛ぶように速い」
「成る程。それなら、馬はどうした。あいつは、爪が割れてもおらんのに、速く走るぞ。さあ、どうした。どうした」
「いや、その、あっ、あれはだな、爪が割れておらんからこそ、人間も乗れる。もし、馬の爪が割れておってみろ。それこそ大変。目にも止まらぬ程に速く走るので、とてもとても、人間が乗れるもんではないわ」
「じゃあ、牛はどうした。爪が割れておるが、あいつは、遅いぞ。これ、どうした、どうした、言うて見い」
「うん、その、それ、それ。それじゃよ。牛は、爪が割れておるからこそ、歩けるんじゃ。
あいつの爪が、割れておらにゃ、いやもう、のろくてのろくて、
動くどころでないわ」
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日10月30日の予告
貧乏医者
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