日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

11月12日 朴


「いちまいの朴の落葉のありしあと」
(いちまいの ほおのおちばの ありしあと)
長谷川素逝。
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 長谷川素逝は明治四〇年(1907)大阪生れ。高浜虚子に師事。日華事変に応召、砲兵将校として大陸を転戦する中で詠まれた作品を収めた句集『砲車』(昭和一四年刊)により一躍有名になった。応召の翌年胸部疾患のために帰還。明治二一年四〇歳で亡くなった。
 掲出句は句集『暦日』所収。朴の落葉は作者が拾い上げたのだろうか。それとも風に吹き去られたのだろうか。だが朴落葉はそのあたりにまだたくさん落ちているだろ。一枚の落葉の存在の余韻など著しきものではないだろうに、その「ありしあと」に作者の心は留まるのだ。不在であることに安らうように。
 作者は死の直前に、『砲車』の戦争俳句の一切を切り捨てた。それらは、作者のこころざす俳句から本来遠いものだったのだろう。晩年の作者は落葉の句を好んで詠んでいる。それらの句を読むと世界に落葉だけがあるようで、作者も落葉とともに地に散り敷いていく感じさえする。by癒しの一句抄。

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「大いなる朴の木影の頬ずりも」
(おおいなる ほおのきかげの ほほずりも)
山根尽生。



明日11月13日の一句
「百合根煮て冬日のごとき妻たらむ」
石田あき子。



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by jinsei1 | 2006-11-12 13:22 | 癒しの一句