12月10日 雪の嵩
2006年 12月 10日
(ゆきよふれ ふりてふんわり かさになれ)
細見綾子。
掲出句は昭和一一年の作。細見綾子の第一句集『桃は八重』所収。「肌理細く、且つとぼけている。呼びかけている。やわらかく撫ぜている」という。金子兜太の言葉(『俳句』平成九年一一月号)がある。いろいろともの思う以前の、未分化の期待感のようなもの、感情を添えると壊れてしまうものが、「嵩」という頑丈な一字に支えられている。そしてそれは、あとからはじけて広がる仕掛けのようだ。by癒しの一句抄。
(しんしんと しんやのゆきの かさふかく)
山根尽生。
明日12月11日の一句
「犀川にまぼろしの犀雪を来よ」
高山れおな。
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