11月24日 トラジ
2007年 11月 24日
(さけぐせの あとのとらじよ かんあつし)
石原八束。
朝鮮の代表的な民謡が<トラジ>。食用や薬用の白いトラジ(ききょう)の根を掘る姿や恋愛を夢みる山里の少女の純情を歌っている。酒に酔うと決まって「トラジ」を歌う男がいた。彼を追懐し、哀悼の意を表す一句である。中七の<トラジよ>で切れ、座五は自信のことだ。熱燗で飲んでいる内に自分も酔ってしまったというのだ。「エイヘイヨエイヘイヨときこゆ秋」の作も。byけさの一句。
※トラジ
トラジ トラジ トラジ
可愛いトラジの花咲いてる
峠を越えて行く道 幼なじみの道だよ
エイヘイヤ エイヘイヤ エイヘイヤ
トラジ トラジ トラジ
白いトラジの花見つめて
母を偲ぶ黄昏 星はやさしく揺れるよ
エイヘイヤ エイヘイヤ エイヘイヤ
トラジ トラジ トラジ
髪にトラジの花飾れば
過ぎた昔懐かし 夢もほのかに浮かぶよ
エイヘイヤ エイヘイヤ エイヘイヤ
(朝鮮民謡 訳詞:藤村閑夫)
(しろいはな かんぽうやくと あへんとも)
山根尽生。
※ペクトラジ(白桔梗):北朝鮮ではアヘンの隠語。