日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

12月22日


「声高に冬至の山を出できたり」
(こわだかに とうじのやまを いできたり)
鈴木六林男。
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 冬至は昼が最も短い日である。太陽の光が弱まり、作物は衰弱し、農耕生活者にとっては一種の危機だ。けれど耳を澄まし、目を見開いて良く見ればどこかに変化はないか。聞こえぬ音を聴き、見えぬものを察知するのは察知するのは詩人の職能の一つだろう。冬至の山の端から顔を出した太陽に、明るく<声高>にしゃべる笑顔を見出しのだ。この日からふたたび昼の日は長くなり、新しい太陽が輝き始める。一陽来復だ。byけさの一句抄。

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「麓には柚湯こんこん湧き待ちて」
(ふもとには ゆずゆこんこん わきまちて)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-22 13:59 | けさの一句

12月21日 冬至


「あやまたず沈む冬至の日を見たり」
(あやまたず しずむとうじの ひをみたり)
後藤夜半。
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 冬至の太陽は北半球から最も遠ざかり、一年中で最も日が短い。言い換えれば最も弱い太陽で、陰極まれる日だ。同時に陽がきざす一陽来復の日として、未来への希望をつなぐ日とされてきた。いわゆる太陽の復活する日。冬至を年のはじめとする冬至正月の暦が作られた時代もあったという。冬至の太陽には意義深いものがあり、写生をもって任ずる俳人にとって<あやまたず>見る態度は、俳句の心でもあった。byけさの一句抄。

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「南瓜食べ柚湯に浸かり風邪祓い」
(かぼちゃたべ ゆずゆにつかり かぜばらい)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-21 12:09 | けさの一句

12月20日 竹藪


「霜満ちて竹静かなる夜なりけり」
(しもみちてたけしずかなる よなりけり)
高桑蘭更。
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 竹林に風が吹けばざわめくが、風がなければ嘘のように静である。霜はよく晴れて無風の寒い夜に多い。曇天の夜よりも地表面は冷え、その上に空気中の水蒸気がそのまま凍り付着する。その氷晶を霜とよぶ。露が凍結したのも見分けがつかなければ霜とよんでいい。細かい気象現象はさて、竹林の静寂につつまれて、夜が深々とふけて行く。戸外の様子を一言でいえば、まさに<霜満ちて>だ。江戸中期の俳人。byけさの一句抄。

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「枯れ笹に光射し入る藪の中」
(かれささに ひかりさしいる やぶのなか)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-20 13:04 | けさの一句

「数へ日に祝日ありて数へ直す」
(かぞへびに しゅくじつありて かぞへなおす)
細川洋子。
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 今年も後わずか、残り日はと指折り数えてみる。そんふうに身をもって切迫感のある年の瀬だ。ふと気づいたのは土日以外に祝日があること。働ける日が一日少なくなる。具体的には十二月二十三日の天皇誕生日。祝日は心穏やかに、などの余裕はない。若き日の芭蕉とも親交のあった信徳は「すさまじや女の眼鏡としのくれ」と詠む。昔も今も個人の忙しさは変わっていない。変わったのは社会の仕組みか。byけさの一句抄

信者でも無いのに日本国
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「不思議なな指折り数えてクリスマス」
(ふしきなな ゆびおりかぞえて くりすます)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-19 15:30 | けさの一句

12月18日 一樹

「落葉してからりと高き一樹かな」
(おちばして からりとたかき いちじゅかな)
河野静雲。
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 俳句ならでは成り立たない、俳句らしい一句だ。一本の地に生えている樹木である。作品の素材はそれだけだが、冬に入って状態が急にまたすっかり変わったのだ。それが<からりと>の意であり、木の葉が落ちて裸木になったのである。葉が茂っているときは高さ感じなかったが、急変したかに高く見えたという。座五の切れ字<かな>で言い切って、爽快な詠嘆の気持ちを伝えている。手本となるような写生俳句だ。byけさの一句抄

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「仰ぎ見る銀杏雄木は冬支度」
(あおぎみる いちょうおぼくは ふゆじたく)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-18 18:08 | けさの一句

12月17日 色情

「色好む鬼のあはれも里神楽」
(いろこのむ おにのあはれも さとかぐら)
上田五千石。
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 神楽は神を祭るために神前で演じる舞楽である。宮中で行う御神楽以外を総称して里神楽とよぶ。長い歴史の中で内容もさまざまだが、神の霊を招きもてなし災厄から守ってもらうことを祈願する。民間の里神楽では往々にして鬼を戯画化し、悪役として追放する。情事を求める色好みの鬼を、その弱点をついて貶め笑いを誘うのだ。里神楽に登場する鬼のあわれに同情するのは、わが身もまた無縁でないからだ。byけさの一句抄。

高千穂神社境内
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「二本の切るに切れない夫婦杉」
(ふたもとの きるにきれない みょうとすぎ)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-17 10:08 | けさの一句