日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

12月10日 日本

「日本に帰りて石蕗の日向あり」
(にっぽんに かえりてつはの ひなたあり)
大峯あきら。
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 海外旅行から帰国すると、改めて日本的なもののよさも再確認する。近刊句集『牡丹』には「一雲もなきミュンヘンの秋が好き」など一連のドイツ詠に次いで収録された一句。石蕗は花の少ない冬期に咲くので、古くから庭に植えられ親しまれている。寒さに耐え、艶のある厚葉の間から花茎をすきっと延ばし、風格のある黄花を開く。光を浴びて辺りを払う美しさは、まさに<石蕗の日向>いうべきだ。byけさの一句抄。

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「鈴なりを一つ下され鍋薬味」
(すずなりを ひとつくだされ なべやくみ)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-10 10:10 | けさの一句
「にっぽんは葉っぱがないと寒いんだ」
(にっぽんは はっぱがないと さむいんだ)
後藤左右。
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 落葉するころはめっきり寒い。けれど掲出句は単に季節の移り変わりを詠んだ句ではない。シイやカシ、クスノキ、ツバキなどの常に葉っぱのある照葉樹林を対象にしている。中国南部、台湾、日本を含む東南アジア地域に最も発達している。しかし乱開発で次々と伐採されてゆく。その結果はどうなるか。山紫水明を誇った日本の風景は台なしになり、お寒いかぎり。自然環境破壊に反対した医者で実践家でもあった。byけさの一句抄

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「塀の中落葉桜木常緑樹」
(へいのなか おちばさくらぎ じょうりょくじゅ)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-09 11:39 | けさの一句

12月8日 開戦日

「ジョンレノンの死をいひ開戦の日といはぬ」
(じょんれのんのしをいひかいせんのひといはぬ)
渡部マサ。
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 ロックバンド「ビートルズ」きメンバーの一人として世界的な名声を博したのがジョン・レノン。一九八〇年十二月八日に錯乱したファンによって射殺された。その衝撃を詠むが、あえて太平洋戦争の開戦日に触れない気丈夫さがいい。初の句集『そぞろごと』には「我が生まれし十二月八日如何せん」の句もある。大正六年生まれとあるから、開戦日は二十四歳の誕生日でもあった。byけさの一句抄

※仕掛けられ一部始終を読み切られ、踊らされ。
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「仕掛けられトラトラトラの虚しさよ」
(しかけられ とらとらとらの むなしさよ)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-08 16:32 | けさの一句

12月7日 列島

「列島の北は雪ふる送電線」
(れっとうの きたはゆきふる そうでんせん)
田沼文雄。
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 アジア大陸の東縁に沿って細長く、弧状をなすのが日本列島である。南の亜熱帯から北の亜寒帯までを含み、地形も複雑。南の島ではサーフィンを楽しむところもあれば、北は雪が降っている。多様な自然環境の中で、独特な風俗習慣を生んできた。対して<送電線>はどんな役割を果たしたか。文明の利器たる電気は、一律に日本の家庭を明るくした。画一化は個性を失わせたが、雪降る自然は変わらない。byけさの一句抄。

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「こちらでは冬サーフィンおきなんちゅう」
(こちらでは ふゆさーふぃん おきなんちゅう)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-07 17:28 | けさの一句

12月6日 師走早暁


「とく起きて師走のこころさだまりぬ」
(とくおきて しわすのこころ さだまりぬ)
黒田杏子。
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 師走は陰暦十二月の異称だが、陽暦での呼称もすっかり定着した感じだ。語感が年の暮れの人事往来の慌ただしさと一致して、親しみ深いことばである。冬の日は短い。たとえば十二月初旬、東京での日の出は六時四十分日没は午後四時半だ。朝寝しょうものなら一日はすぐ終わってしまう。一念発起して早起きした。年内に片づけねばならぬ仕事は多い。そうと決めれば意欲満々、覚悟は出来たということだろう。byけさの一句抄

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「日の出磯波打ち返す師走朝」
(ひのでいそ なみうちかえす しわすあさ)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-06 16:28 | けさの一句

12月5日 懸大根


「雲は行き懸大根はとどまれり」
(くもはゆき かけだいこんは とどまれり)
後藤比奈夫。

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 行く雲とは一所にとどまらない代表のようなものだ。ことに白雲は一点の執着もなく大空を自然のまま、なるがままに行動する。対して<懸大根>はどうか。たくあん漬けなどにするため、洗って束ね軒先や架け木に懸けて干す。どちらも白のイメージだが、雲は自由で懸け大根は束縛されている。動と静の対比で、動かざる大根の白さに注目したのがおもしろい。懸け大根を点景とした牧歌的な農村を詠む。byけさの一句抄

品川区東海寺大山墓地 沢庵和尚の墓
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「墓石も沢庵石の如くにて」

(はかいしも たくあんいしの ごとくにて)
山根尽生。

さて、明日は
# by jinsei1 | 2007-12-05 14:58 | けさの一句