日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

9月25日 新蕎麦


「新蕎麦や床几のはしに泉鳴り」
(しんそばや しょうぎのはしに いずみなり)
井沢正江。
a0009666_16963.jpg

 夏まきのまた十分に熟さない蕎麦を早刈りし、その粉で打ったのが新蕎麦。走り蕎麦などともいって賞味する。蕎麦は荒地にもよく育ち、産地の山間や峠に蕎麦屋を見出すこともあろう。しゃれた感じで、店先には緋毛氈を強いた細長い腰掛けが置いてある。野遊びの途中で立ち寄ったか。座って蕎麦をすすったのだろうが、すぐ端に泉がこんこんと音を立てわき出している。風流の景を詠む一句だ。byけさの一句抄。

a0009666_165391.jpg
「つやつやの新蕎麦たぐる信濃にて」
(つやつやの しんそばたぐる しなのにて)
山根尽生。

さて明日は
by jinsei1 | 2007-09-25 01:09 | けさの一句

9月4日 馬追い

 
「馬追のふはりと降りし信濃かな」
(うまおいの ふはりとおりし しなのかな)
今井杏太郎。

a0009666_8385656.jpg
 狐につままれたような気分をかもす俳句。「謂応せて何か有」とは芭蕉のことばだが、作者のいわんとする余情は何か。長塚節には「馬追虫の髭のそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想ひ見るべし」という短歌。「馬追虫の髭の」までは序詞で、初秋の感触「そよろに」を導き出す前置きである。あるいはそれに近い技法によって、信濃に秋が来たことを詠もうとした一句だ。句集『海の岬』所収。byけさの一句抄。

a0009666_8394119.jpg
「馬追いの祭りに向かう峠道」
(うまおいの まつりにむかう とうげみち)
山根尽生。

さて、明日は
by jinsei1 | 2007-09-04 08:40 | けさの一句

8月11日 星飛びて


「わが信濃触れんばかりに星飛びて」
(わがしなの ふれなんばかりに ほしとびて)
村松紅花。
a0009666_7453780.jpg

 星飛ぶとは夜空に急に現れ、尾を引いて飛ぶように見える光体である。流星、流れ星ともいう。それが手にも届きそうな近さで通過したというのは誇張だが、贔屓びいきは世の常のこと。<わが信濃>はお国自慢の心持ちがあっての表現だろう。流星は四季を通じて見られるが、八月十一、十二日ごろが最も多い。その時期の信濃は避暑地としても恵まれている。小諸虚子庵の留守を預かることもあった人だ。byけさの一句抄

a0009666_746341.jpg
「山眠り麓の灯星世界」
(やまねむり ふもとのあかり ほしせかい)
山根尽生。

さて、明日は
by jinsei1 | 2007-08-11 07:47 | けさの一句