日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

12月15日 狐火

「狐火に日めくり痩せてゐたりけり」
(きつねびに ひめくりやせて ゐたりけり)
成瀬桜桃子。
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 毎日一枚ずつはぎとって使う暦が日めくり。枚数が少なくなるのを比喩的に痩せると表現するのは月並みだが、<狐火>との取り合わせがおもしろい。狐火は狐がともす怪光と信じられていたが、光線の異常屈折によるものらしい。英語でフォックスファイアという場合、フォックスは狐でなく朽ちるとか腐って変色する意だという。ともあれ狐につままれたように日時の消え行く慌ただしさを詠む。byけさの一句抄

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「夜祭の 狐火山を 下りおり」
(よまつりの きつねびやまを くだりおり)
山根尽生。

さて、明日は
by jinsei1 | 2007-12-15 18:17 | けさの一句

12月11日 12月


「なき母を知る人来たり十二月」
(なきははを しるひときたり じゅうにがつ)
長谷川かな女。
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晩年のかな女。

 日常の雑事に追われていると、ついつい人生の大事を忘れてしまう。特に十二月がそうだ。こんな折り、前ぶれもなく生前の母を知る人がやってきた。話題はいきおい亡き母のことになる。先へ流れる茶飯の時間と積もる過去を顧みる時間。日常と非日常といってもよいが、しばらくは後者の時間に浸り我を取りもどしたか。『徒然草』には「その事となきに、人の来たりて、のどかに物語りして帰りぬる、いとよし」とある。byけさの一句抄。

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「立て看でいよよ煽るや12月」
(たてかんで いよよあおるや じゅうにがつ)
山根尽生。

さて、明日は
by jinsei1 | 2007-12-11 17:48 | けさの一句

12月6日 師走早暁


「とく起きて師走のこころさだまりぬ」
(とくおきて しわすのこころ さだまりぬ)
黒田杏子。
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 師走は陰暦十二月の異称だが、陽暦での呼称もすっかり定着した感じだ。語感が年の暮れの人事往来の慌ただしさと一致して、親しみ深いことばである。冬の日は短い。たとえば十二月初旬、東京での日の出は六時四十分日没は午後四時半だ。朝寝しょうものなら一日はすぐ終わってしまう。一念発起して早起きした。年内に片づけねばならぬ仕事は多い。そうと決めれば意欲満々、覚悟は出来たということだろう。byけさの一句抄

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「日の出磯波打ち返す師走朝」
(ひのでいそ なみうちかえす しわすあさ)
山根尽生。

さて、明日は
by jinsei1 | 2007-12-06 16:28 | けさの一句