7月29日
2005年 07月 29日
(うみにすむ うおのごとみを つきすずし)
榎本星布(せいふ)。
芭蕉には<蛸壺やはかなき夢を夏の月>というのがあり、憂愁の漂う俳句だ。これに比し掲出句は裸身をさらすかの感覚に溌剌さがある。冴えた感性がとらえた無限美の世界だ。夫に死別後は俳諧に熱中し、白雄に傾倒して詩情ゆたかな句を作った。
1732~1814 武蔵八王子の人。鳥酔門のち加舎白雄に師事。by村上護。
★榎本星布のこと
「海中に暫し沈みて描く涼」
(かいちゅうに しばししずみて えがくりょう)
山根尽生。
明日7月30日の一句
「夏波の反るとき白馬風に乗る」 源鬼彦。