日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

7月29日

「海にすむ魚の如身を月涼し」
(うみにすむ うおのごとみを つきすずし)
榎本星布(せいふ)。
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 前書きによると、海にのぞむ酒店での即興吟だという。作者は女流俳人だが、少々飲みすぎて酔眼もうろうの態であったか。ゆらゆらと水面に映える月光の照り返しを見ながら、みずからも海中にあるかと錯覚する。
 芭蕉には<蛸壺やはかなき夢を夏の月>というのがあり、憂愁の漂う俳句だ。これに比し掲出句は裸身をさらすかの感覚に溌剌さがある。冴えた感性がとらえた無限美の世界だ。夫に死別後は俳諧に熱中し、白雄に傾倒して詩情ゆたかな句を作った。
1732~1814 武蔵八王子の人。鳥酔門のち加舎白雄に師事。by村上護。 
榎本星布のこと

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画像2葉共、by海中散歩
「海中に暫し沈みて描く涼」
(かいちゅうに しばししずみて えがくりょう)
山根尽生。

明日7月30日の一句 
「夏波の反るとき白馬風に乗る」 源鬼彦。

by jinsei1 | 2005-07-29 08:35 | きょうの一句