日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

10月4日 秋風

「遠くまで行く秋風とすこし行く」 
(とおくまで ゆくあきかぜと すこしゆく)
矢島渚男(なぎさお)。

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 俳句の読みで肝心なのは「切れ」をいかに認識するかだろう。掲出句はどこで切れるか。中七と下五の間で切れるとすれは、秋風に沿ってそこらまで散歩する、と解してもよかろう。もう一つの解は<遠くまで行く>と熊田刈りのところで切れ、下の句に続く二句一意仕立てである。。私は遠くまで行くのだが、その途中で少々秋風と共に歩くという意である。
 さてどちらがよいのか、前者の解では散文的になり、作者の境涯の深さ菜と無視することになってしまう。主体は一人称で、二句一章仕立て。私は遠くまで行く。私は秋風と少し行く、と二句に分けて読むべきである。遠くまで行く全行程の一部を、秋風と共に行くのだ。「人の一生は重荷を負て遠き道をゆくがごとし。いそぐべからず」は徳川家康の遺訓。これにそのまま従わないが、だれにも遠き道の思いはある。秋風は夏冬のはざまで定まった風位のないのが特色である。
1935~ 長野県生まれ。「梟」創刊主宰。by村上護。
★ザングリト荒ビテ 矢島渚男
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「どちらとも吐く息揃え薄木原」
(どちらとも はくいきそろえ すすきはら)
尽生。

明日10月5日の一句 
「生も死もたった一文字小鳥来る」 石寒太(いしかんた)。

by jinsei1 | 2005-10-04 08:30 | きょうの一句