10月16日
2005年 10月 16日
(こんもしも さかもりとなる よながかな)
小泉八重子。
飲酒による共同一体感は人と人の間だけでなく、神と人との契約の儀式でもあった。これが風習となり、現代においては成り立ちを忘れてしまい、厳粛さは薄くなっている。
下五の<夜長>は秋の季語。日が暮れてからの時間は遅々として、いつまでたっても宵の口の感覚である。昔の酒の飲み方は一つの頽廃になみなみと注ぎ、それを上座から回し飲みをしてゆく。次は上がり献(こん)といい、下座から上座へ飲み回す。延々と続く夜長の酒宴に閉口した思い出があっての作か。
1931 兵庫県生まれ。「季流」主宰。by村上護。
(のめうたえ うたげのあとの しろいあさ)
尽生。
「この奈良に眠りて秋のにはかなり」
榎本好宏(よしひろ)。