11月24日 蒲団
2005年 11月 24日
(いちまいの ふとんのうらの かれのかな )
齋藤愼爾。
芭蕉の辞世は「旅に病んで夢は枯野をかけ廻る」 という句。なお旅へのあこがれを絶ちがたく、夢は枯野をかけめぐってやまない、の意。現実の枯れ野ではなく、また掲出句の枯れ野も現実ではない。関連して思い出すのはイギリスのルイス・キャロルが書いた「不思議の国のアリス」などの童話。独創的なファンタジーとして子どもだけでなく大人にも多く読まれるが、掲出句も夢と現実の豊富な問題をはらんだ注目作。
1939~ 京城生まれ。編集者・作家・俳人。by村上護。
(ぬくぬくと ゆめみるゆめこ はねぶとん)
尽生。
明日11月25日の一句
「おでん屋の無頼風流わすれめや」
佐野まもる。