日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

11月28日 生き恥

「生き恥の五つや六つおでん鍋」 
(いきはじの いつつやむっつ おでんなへ)
穴井太(ふとし)。
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  罪を犯すことは平気でも、恥をかくことには、我慢ならないのが日本人の特性らしい。戦後、アメリカの女性人類学者ルース・ベネディクトの著した11月28日 生き恥_a0009666_8372693.jpg『菊と刀』はそのことを見事に分析して見せた。内面に善悪の絶対の基準をもつ西洋の罪の文化と対照的なのが日本の恥の文化だという。それは内面に確固たる基準がなくて、他者からの評価を基準として右顧左眄するのが日本人だと断じられたのだ。たしかにそうで生き恥をさらすくらいなら死んだ方がましという考えの人も多い。
 生き恥が何だと、従来の道徳観念を吹き飛ばすような元気のよさが掲出句にはある。といって少々心配なのはおでん屋で酔っての怪気炎やも知れず後日の確かめも必要だが、ここでは恥を恥とも思わない破廉は問題外である。それにしても<五つや六つ>の大層さが笑いを誘う。 
1926~1997 大分県生まれ。「天籟通信」創刊。by村上護。
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「平成や破廉恥一語絶命す」
(へいせいや はれんちいちご ぜつめいす)
尽生。
「あまりにもむごい」マンション問題に詳しい栄枝(さかえだ)明典弁護士
「阪神大震災では家がつぶれてもおとがめなかった」

明日11月29日の一句
「木枯が抱き来し音を海に解く」 
米沢吾亦紅(われもこう)

by jinsei1 | 2005-11-28 08:40 | きょうの一句