12月18日 枯木
2005年 12月 18日
(どこをもて こきょうとなさむ かれきにひ)
川上梨屋(りおく)。
<枯木>には晩年に向かう自身の境涯を投影し、来し方を感慨ぶかく振り返っている。果たして自分に懐かしいと思える故郷はあるのか。ニヒルな気分もただようが<枯木に日>は光明である。唯今の生を生きるほかない、という決意を示している。「秋風や泪(なみだ)ためたる木馬の目」「きさらぎや目なしだるまの目に泪」「生涯の苦とつれそへる夜なべかな」など境涯にそった哀愁を詠む句が多い。
1901~1974 東京生まれ。「春燈」所属。by村上護。
★ご存じですか職人道具 鰻サキ
(しんじょうを なみだなみだの かれきかな)
尽生。
明日12月19日の一句
「明日ありやあり外套のボロちぎる」
秋本不死男(ふじお)。