1月19日 寒さがたのし
2006年 01月 19日
(しんしんと さむさがたのし あゆみゆく)
星野立子。
生来、寒さが好きということでなくとも、ある気分の時に寒い道を歩いていたら、いろいろと目につくものがあって、だんだん楽しくなってきたということもあるだろう。それを「寒さがたのし」と大胆に言い切ったところがこの句の見どころである。子供は風の子というが、まるで幼い子供のように嬉々として自然のなかにいるかのようだ。なかなか俳句でこうは表現できない。
星野立子は明治三六年(1903) 東京生まれ、高浜虚子の次女であり、虚子は自分の子のなかでは立子の俳句の才能を最も買っていたようである。掲出句は昭和八年『立子句集』所収。by癒しの一句。
(つねのひや さむさなんぞの たちばなし)
尽生。
★小耳さん、コメントでふと、金子みすゞの
『積った雪』思い出しています。
上の雪
さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪
重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪
さみしかろな。
空も地面(じべた)もみえないで。
明日1月20日の一句
「龍の玉地に喝采のあるごとし」
大石悦子。