1月27日 鶴
2006年 01月 27日
(つるいちわ わがみょうじゅうの ひにあれよ)
大串章。
大串章は昭和一二年(1937)佐賀県生まれ。大野林火に師事した。格調の高い作品と本格的な評論で知られる。掲出の作品は句集『百鳥』所収。「山口県熊毛郡熊毛町八代」という前書がある一九句のうちの一句。「大霜の空まっすぐに鶴が来る」「鶴日誌畦に鶇(つぐみ)の来しことも」「鶴の宿一人の膳を子が覗く」などの鶴の作が続く。
掲出句は眼前の鶴の群れからはなれて、自分の命の終る日を見通している。その陽にもこの鶴の姿を見たいという、つよい思いを直截に詠って間然とするところがない。命終という古くからある言葉が今の時代にも生きている。by癒しの一句。
(みょうじゅうに はてはてなにを のぞもうや)
尽生。
「笹鳴きや保育器に咲く十指あり」
田川飛旅子。