日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

1月28日 鶯

「笹鳴きや保育器に咲く十指あり」 
(ささなきや ほいくきにさく じゅっしあり)
田川飛旅子。
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 鶯が冬に笹藪などで鳴くことを笹鳴という。冬は餌が少なくなるので、繁殖地である山から平地へ降りてくるらしい。チャッチャッという。人が舌鼓を打つような声と歳時記には記載されている。春の誇らしげで華やかなさえずりとは別のもっと生の営みに近い声なのだろう。
 生まれたての赤ん坊を見ていると、命というものの最も純粋なかたちと思う。生きるというそれだけのことにも介助の必要な存在。この句の赤ん坊にはそうした助けがさらにもう少し必要なのだろう。生きて育つという素朴な願いと、今生きているという無垢な時間がこの保育器にはあって、小さな生の証しのような動きへ与えられた「咲く」という措辞に強くうたれる。作者田川飛旅子は大正三年(1914)東京生まれ。加藤楸邨に師事。クリスチャンとして知られた。掲出句は昭和五五年の作。句集『薄荷』所収。by癒しの一句。

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笹に鶯by荒川夏朶
「寒中をつがうを求め笹呼ばい」
(かんちゅうを つがうをもとめ ささよばい)
尽生。
★☞ 笹鳴き

明日1月29日の一句

「湯豆腐やいのちのはてのうすあかり」 
久保田万太郎。

遠隔治療のお薦め

by jinsei1 | 2006-01-28 13:31 | 癒しの一句