2月18日 滝登り
2006年 02月 18日
と、昔は水を売る声が、あちこちで聞かれていました。
今のように、家に水道がない昔は、こんな商売があったのです。
ある日、両国橋の上で、侍が何やら慌てて騒いでおりました。
それもそのはず、侍のつかえているご主人から、将軍さまに差し上げる生きたコイが、侍の担いでいた桶の中で、ピョーンと跳ねると、そのまま川の中へ飛び込んでしまったのですから。
「大変なことになった、困った、困った」
と、侍は、うろうろ橋の上を行ったり来たりしていますと、ちょうど、水売りが通り掛かり、侍の話を聞いて、
「そんなことなら、あっしが、捕まえて差し上げましょう」
と、言うと、売り物の水を、橋の上からサラサラサラと細めに流し、コイに向かって言いました。
「コイやコイや、滝だよ、滝。
さあさあ、のぼってこいや。コイの滝のぼりだ」
また、この声につられて、
本当にコイが登ってきたのですから、
見事なものでございます。
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日2月19日の予告
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