2月18日 木の芽
2006年 02月 18日
(きのめ ひらいてくる みのまわり)
荻原井泉水。
荻原井泉水は明治一七年(1884)東京生まれ。俳句の本質は季語と定型といわれるが、そういう決まりから自由になって俳句を作ろうという運動が大正時代におこった。それを新傾向俳句という。荻原井泉水は、その新傾向俳句の重要な作家であり、運動の中心となる雑誌「層雲」を主宰した。掲出作品も三・六・五という自由律の句となっている。掲出句は大正一五年作、のちの自選句集『原泉』所収のものだが、この句の前には「水おと梅開く」という四・五というリズムの作品も収められている。
身のまわりに木の芽が吹き、春の訪れを全身で感じている。by癒しの一句。
(かべのきわ ばらのしんめの めはりけり)
山根尽生。
明日2月19日の一句
「如月や日本の菓子の美しき」
永井龍男。