日日光進・更新・交信。アナタへの健康波動---。


by jinsei1

2月26日 下萌

「下萌ゆと思ひそめたる一日かな」
(したもゆと おもひそめたる ひとひかな)
松本たかし。
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 冬枯れの地面のそこここから、草の芽の萌え出づることを下萌という。古くはひそかに思い焦がれる意味にも使ったことばだとも聞く。
 いつしか野や庭に、また思わぬところに草の芽がすでに青々としていることに気づく。春先のある日、今日初めてした下萌に気づいたというのである。
 作者松本たかしは明治三九年(1906)東京間だ猿楽町の室生流能役者の家に生れた。一四歳で得た病気のため能に生きることを諦め、高浜虚子に学んで俳句を作った。掲出句は二〇代の作、『松本たかし句集』所収。この作品のつぎに「病床に上げし面や下萌ゆる」という句がある。そうであれば掲出句も、胸の病気で床についていた時期のものだろう。実際に庭に草の芽が萌えているのを見たというのではないかもしれない。冬の間から病臥していて、いつか日の光にも春がやってきたことが感じられるようになった。天井を眺めながら外界の春を感じ取って、つぶやいた句。変化のない病床の日々に、小さな緑いろを点じたよう。by癒しの一句。

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「浅緑召しませ春を下萌を」
(あさみどり めしませはるを したもえを)
山根尽生。

明日2月27日の一句
「ふらここのきりこきりこときんぽうげ」 
鈴木詮子。

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by jinsei1 | 2006-02-26 14:53 | 癒しの一句