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by jinsei1

3月4日 流し雛

「明るくてまだ冷たくて流し雛」
(あかるくて まだつめたくて ながしびな)
森澄雄。
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 雛流しとは、三月三日の夕方、川や海に雛を流す行事である。もともとは三月はじめの物忌みに祓いをし、形代にけがれをうつして、川に流した。これが雛祭りとあわさって雛流しとなったと考えられる。雛を流すことによって、一家の災厄をはらう意味をもっている。月遅れの四月に行う地方がおおい。
 夕方、日が永くなって、まだまだ明るい川べりである。そうはいっても、風も水の流れも、春とは言えまだ冷たい、そういう微妙な季節感をすくいとった作品である。毎年毎年、この川辺に少女が雛を流したことだろう。その少女達の思いにも、作者は気持ちを通わせて、「明るくてまだ冷たくて」と詠んだ。
 森澄雄は大正八年(1919)兵庫県生れ長崎育ち。加藤楸邨に師事した。「若狭には仏多くて蒸鰈」「あけぼのや湖の微をとる氷魚網」「この国の桜を見ずや鳥帰る」など旅の間にうまれた佳品が有名である。
 掲出句も旅吟であろう。昭和三六年作、句集『花眼(かがん)』by癒しの一句。

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「罪科も水に流れて流し雛」
(つみとがも みずにながれて ながしびな)
山根尽生。

明日3月5日の一句
「帰るべき山霞みをり帰らむか」 
小澤實。

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by jinsei1 | 2006-03-04 11:30 | 癒しの一句