4月3日 低い
2006年 04月 03日
ポカポカ陽気の、温かい春の日の午後。
書生が、お寺の小坊主に、
「何でもいいから、本を一冊持ってきてくれ」
と、頼みました。
そこで、小坊主が、和尚さんの本棚の中から、『書経』という、中国の昔の本を持って行きました。
すると、書生が、一目見て、
「この本は低い」
と、いいますので、今度は、『詩経』という、これも中国の昔の本を持って行きました。
ところが、
「これも低いではないか!」
と、決め付けますので、小坊主が驚いて、さっそく和尚さんに、このことを知らせに行きました。
「ほほう。なるほど。そんな難しい本を、二冊とも、『低い、低い』と言ったのだな? そうすると、あの書生どのは、よっぽど学問を深めた、偉い書生殿に違いないぞ!」
と、和尚さんは感心しました。
ところが、部屋の書生は、
部厚い本を枕に、グー、グーと、イビキをかいて寝ておりました。
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日4月3日の予告
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