4月6日 乳母車
2006年 04月 06日
(かげろふの なかへおしゆく うばぐるま)
轡田進。
春の昼下がり、乳母車を押す人とすれちがう。午後の散歩なのだろう。赤ん坊は眠っているのだろうか。乳母車は作者とすれちがったあとも同じ速さで遠ざかる。そして陽炎の揺れる景色の「中へ」ゆっくりと入っていくのだ。現実と非現実が交叉するような不思議な感覚だ。
「押しゆく」という時間の経過によって、春日の満ちた午後という場面に作者とともに立ち会っている心地がする。by癒しの一句抄。
(だだもまた さくらびよりの ひるさがり)
山根尽生。
★画像は、世界一周「にっぽん丸」、12時出航後の帰途に。
明日4月7日の一句
「ちるさくら海あをければ海へちる」
高屋窓秋。
遠隔治療のお薦め