5月2日 日本の雀
2006年 05月 02日
全部で六羽います。
大変珍しいので、お殿様に献上することになりました。
ところが、このお殿様は、とても縁起を担ぐお方。
めでたい数でないと、お喜びになりません。
「まずいな。七・五・三のどれかでないと、まずい。いくら数えて見ても、・・・やれやれ、六羽しかおらんわ」
商人は、しばらく考えておりましたが、
「ええ、ままよ」
と、日本の雀を一羽まぜ、七羽にして、殿さまに献上いたしました。
「おお、これは珍しい」
殿様は、大変ご機嫌で、一羽一羽、念入りにご覧になっていましたが、
「はて、中国の雀と申しながら、日本の雀が一羽混じっておるぞ。どうしたことじゃ」
訊ねられましたが、商人は返事が出来ず、震えておりました。
すると、日本の雀が小さな口をあけて申しました。
「お殿様。わたくしは、通訳でございます」
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日5月3日の予告
序の事に
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