6月6日 升落し
2006年 06月 06日
昔は、よく、升落しというやり方で、ネズミを取ったものでございます。
これは、升を伏せた中に餌を入れ、縁につっかい棒をして、ネズミが入るようにして置きます。
ネズミが餌を食べに入ると、棒が倒れて、ネズミの上に升が被って、出られなくなるという、仕掛けです。
ある時。
升落しに、ネズミが一匹掛かりました。
尾だけが、升の外に見えております。
「それっ。ネズミが取れた」
と、言うので、家の者がみんな寄って来ました。
「ほほう。太いしっぽだ。この太さなら、さぞ、大きなネズミだろう」
と、主が言えば、そばから女房が、
「いいえ。幾らしっぽが太いからといって、ネズミが大きいとは限りませんよ。この中のネズミは、小さいですよ」
と、言えば、親父も負けじと、
「いや、大きい」
「いや、小さい」
「いーや、大きい」
「いーや、小さい」
と、大変な言い争いになりました。
それを聞いたネズミが、升の中から言いました。
「チュウ(中)、チュウ(中)」
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日6月7日の予告
一人篭
寝てる間に、ボケ防止