6月16日 鯛のお代わり
2006年 06月 16日
タイの大好きな殿さまがいました。
ご飯のときに鯛がないと、ご機嫌斜めになってしまいます。
そこで、家来達は、鯛を切らさないよう、毎日、気を使っていました。
ところがある日、ひどい嵐のため、鯛が一匹しか手に入りません。
家来が、その鯛を焼いて出すと、殿さまはさっそく、箸をつけました。
「こりゃあ、うまい!」
たちまち、表側を食べてしまうと、
「お代わりを持って参れ」
家来に言い付けました。
殿さまはいつも、鯛を表側しか食べないのです。
「これはもう、下げて良いぞ」
「ははーっ」
さて、家来達は困りました。
代わりの鯛などありません。
「どうしよう」
家来達が、ヒソヒソ、相談していると、台所で、働いていた女中が、
「頭の悪い人達だなあ。お殿さまはどうせ、鯛の片側しかたべないのだから、引っくり返して出せば良いのに」
と、言いました。
「なるほど、それしかあるまい」
家来達は、鯛の裏側を表にして、恐る恐る差し出したところ、
「おお、随分と、早く出来たな。結構、結構」
殿さまは、ご機嫌で、「パクパクパク」と食べました。
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日6月17日の予告
罪な人魂
寝てる間に、ボケ防止