8月24日 消えた小判
2006年 08月 24日
ある所に、化け物が出ると言う噂が立ちました。
「ようし、俺が、化け物の正体を、この目で見届けてくれる」
胆の太い若者が、噂のあばら家に乗り込んで行きました。
さて、その晩のこと。
若者が、化け物を待ち構えていると、いきなり、障子を突き破って、大入道が現れました。
「ほう、これは面白い」
若者が手を叩いて喜ぶと、大入道はたちまち、のっぺらぼうに姿を変え、次には、唐笠お化けに化けました。
「これだけの物は、見せ物屋でも見られんわい」
若者がなお喜ぶと、化け物は、今度は小判に化けて、チャリンと、土間に落ちました。
「しめたっ」
と、若者が拾おうとすると、パッと、小判が消えてしまいました。
若者の、悔しがったこと、と言ったらありません。
「あのままで、もう少し長い間、化けていて呉れたら、
美味いものが、鱈腹食えたのに」
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日8月25日の予告
へなへなと、しゃがみ込んで
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