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by jinsei1

9月24日 お血脈の印


9月24日 お血脈の印_a0009666_9205593.jpg「一体、どうしたことじゃ。この地獄ヘ、ここの頃は、一向に亡者供がやって来ぬ。はて、妙なこ¥事もあるもの」
と、閻魔大王は、早速、手下の鬼を娑婆に送って、様子を調べさせた。
手下は、慌てふためいて帰って来ると、
「大王さま。娑婆の様子は、かくかく、しかじか」
 その鬼の知らせによると、信州信濃の善光寺に、お血脈の印と言う、有り難い判子があるそうで、これをおでこにペタンと押すと、どんな大悪人も、極楽へ入るという事です。
 それを聞いた閻魔大王は、
「これは地獄の一大事。捨てては置けぬ」
と、早速、地獄の重役達を集めて、会議を開いた。
 頓智も知恵もない重役の鬼たちも、この時ばかりは、脳味噌を絞りに絞った挙げ句、やっとの事で、
「放って置いては、この地獄にも、失業者が、増えるばかりでござる」
「鬼供の福祉の為にも、何とかせずばなりますまい」
「左様。何としてでも、善光寺のお結膜のご印とやらを、盗み出さねばあいなりませぬ」
「その通りに、ござりまする」
と、言う事に、みんなの意見が決まりました。
 さて、それでは、誰が良かろう、彼が良かろうと、色々と、吟味した挙げ句、閻魔大王の、
「盗みの事ならなら、何と言っても、石川五右衛門に及ぶ者はあるまい」
と、いうお言葉に、重役たちは、みんなさんせいしました。
 そこで、石川五右衛門を呼び出す事になりましたが、困った事に、五右衛門の姿は、もうありません。
 何しろ、盗みに掛けては日本一と言うので、地獄にくると、ゴリゴリと、鋸引きにしてしまったものだから、手も、足も、頭も全部、バラバラです。
 慌てて、バラバラになったポンコツ五右衛門を集めて、
カンコン
カンコン
と、組みたて直して、やっとの事で生き返らせると、大王さまの前に連れて来ました。
「五右衛門。暫く振りだなあ」
と、閻魔大王はニンマリ笑い、それから言葉を改めて、
「実は、これこれ、かくかく、しかじか、かような訳で、今は地獄の一大事。お前の外に、この地獄の危機を救う者はおらん。早速、善光寺ヘ参り、お血脈のご印を、盗んで来い」
「ははっ」
 五右衛門は、地獄の門を駆け出すと、信州信濃の善光寺にやって来ました。
 流石は天下の大泥棒。
 簡単に、ご印を見付けました。
「よし、これだな」
 恭しく、ご印を手に取りましたが、
「しかし、これを大王に渡しても、俺はその後ポンコツに。それなら」
と、自分のおでこに、ペタンと、ご印を押しつけました。




 途端に、
ヒューン
 唸りを立てて、石川五右衛門は、
極楽ヘ飛んで行ってしまいました。

おしまい


ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日9月25日の予告

方角



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by jinsei1 | 2006-09-24 09:21 | 一服小話