10月10日 酔っ払いの落とし物
2006年 10月 10日
男達が三人で、酒を飲み合っている中に、一人が、酔いつぶれてしまいました。
「しょうがねえ、家まで送って行くか」
二人は、酔いつぶれた男を、両脇から抱えて、歩き出しましたが、この二人も、かなり酔っぱらっていて、千鳥足です。
あっちへふらふら、こっちへふらふらしながら、どぶに嵌まる事もなく、酔いつぶれた男の家に辿り着きました。
「さあ、着いたぞ。確りしろよ。しかし、お前はいやに軽いな。・・・うん?」
軽いのも当たり前。
良く見ると、そこにあるのは着物だけで、肝心の男が見当たりません。
お上さんはカンカンです。
「あんた達、家の人は、何処です!」
「何処って、その、帯が緩んで、途中の道に落して来ちまったらしい」
「なにを呑気な事。こうしてはいられないよ」
お上さんが飛び出していって、探し回ると、主が裸で、橋の袂に落ちたまま、鼻提灯を膨らませながら、寝ていました。
お上さんが、それをおんぶして、帰って来ると、二人の男が、まだ、酔いの覚めない胸を撫で下ろして、
「済まない、済まない。落して来たのは、俺達の落ち度だ。それにしても、誰かに、拾われなくて、良かったなあ」
「本当だ。何て運が良いんだ。もし拾われていたら、
お礼に、一割やらなくてはならない所だった」
おしまい
ハイッ、お次ぎがヨロシイようで------。
明日10月11日の予告
飲兵衛親子
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