11月9日 黄泉坂橇
2006年 11月 09日
(よみざかに そりとおぼしき ものありぬ)
摂津幸彦。
イザナギが黄泉から逃げ帰った坂生と死の国ざかい
黄泉の国は死後の世界のこと。そこへゆく長い長い下り坂を黄泉坂という。
その黄泉坂のまん中に橇のようなものがあるという。では黄泉坂には雪が積もっているのだろうか。橇には誰も乗っていないのだろうか。
作者は黄泉坂のこの世の側にいるのか、あるいはあの世の側にいるのか。橇が俳句の季語というよりも物体そのものを提示している。
読者にいろいろなことを考えさせる俳句だ。ただそれだけでなく、尋常の雪の坂に、誰も乗っていない橇がぽつんとおいてあるという。なつかしい思い出での中の景色が二重写しに浮かんでくるような作品でもある。by癒しの一句抄。
(なにつまん めいどのみやげ ゆめのそり)
山根尽生。
明日11月10日の一句
「つはぶきはだんまりの花嫌ひな花」
三橋鷹女。
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